独学で資格は取れる

資格を独学で勉強してみた記録です。

【社労士・労基】2.労働契約等

目次

この文章は以下の本を参考にしています。

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概要

大事なのは、

  • 絶対的明示事項と相対的明示事項の区別
  • 解雇制限の原則と例外
  • 解雇予告の原則と例外

 

厳密に言うと、言葉の意味が多少違う部分もありますが、わかりやすさを重視してあえてくだけた言葉を使うようにしています。

 

略語を使うもの

  • 労働基準法のことを「労基法」
  • 労働基準監督署を「労基署」
  • 労働基準監督署長を「労基署長」

と略しています。

労働基準監督署というのは、その名の通り、会社が従業員を不当にこき使ってないかチェックするところです。 

 

また、労働者、使用者という言葉がよく出てきますが、

  • 労働者 → 従業員
  • 使用者 → 社長

と思ってくだされば、だいたいあっています。 

つまり、雇う側が「使用者であり社長」、雇われる側が「労働者であり従業員」ということです。

 

1.労働契約

  • 契約成立の要件であり、書面は必要ない
  • 労働条件で労基法の基準に達してない部分については無効
    →強硬的効力
  • その無効になった部分はどうなるかというと、労基法の基準になる
    →直律的効力
  • 労働条件の明示は労働契約の締結の際にしないといけない
    →後からおいおいってのはダメ

 

2.労働条件の明示

明示について

ここから「明示」という言葉がよく出てきますが、これには

  • 書面による明示
  • 口頭による明示

があります。

要は、

  • 契約なんだからちゃんと紙に残さないといけないもの
  • 口で言えば済むよ、というもの

の2種類があるということです。

  • 重要なものは、紙で
  • そこまで重要じゃないものは口でOK

ってことですね。

 

絶対的明示事項

絶対的明示事項とは?

  • これから雇う人に必ず明示しないといけないもの

 

内容

簡単にいうと

  • ①期間について
  • ②期間更新について
  • ③勤務場所と勤務内容について
  • ④イン時間とアップ時間、残業の有無、休憩時間や休日について
  • ⑤賃金の額や計算方法や支給方法・支給日、締め日、昇給について
  • ⑥退職について

 

明示方法

  • ⑤の昇給以外は全て書面交付
    →大事な契約内容なので書面で残すってことですね。
    →昇給は働き始めた後の話だし、昇給ってことは今より悪条件にはならないので書面の例外になっている
  • ⑥の退職については書面ですが、相対的明示事項に出てくる「退職手当について」は口頭でOK
    →クビになるかどうかは重要ですが、退職金が出る出ないの話はそれに比べれば重要度が落ちますよね

 

相対的明示事項

相対的明示事項とは?

  • 会社で決めているなら、雇う人に明示しないといけないもの

 

内容

簡単にいうと

  • ①退職手当がもらえる対象、計算、支払い方法・支給時期について
  • ②ボーナスに関すること
  • ③自己負担の食費や備品について
  • ④安全衛生について
  • ⑤職業訓練について
  • ⑥仕事中の事故の補償と、仕事外のケガや病気の補助について
  • ⑦表彰や制裁について
  • ⑧休職について

 

明示方法

  •  全て口頭でOKです。

 

契約内容と実際が違った場合

ダチョウ倶楽部でいう「聞いてないよ〜」って場合ですね。

この場合

  • 労働者はすぐに契約解除できる
  • さらに契約解除の日から14日以内に帰郷する場合は必要な旅費を使用者は負担しないといけない
    →ダマしたんだから当然ですね
  • 他人の労働条件が違っていたからと言って、自分が自分の契約解除をすることは出来ない
    →便乗はダメってことですね

 

派遣労働者

  • 労働条件の明示義務は派遣元
    →派遣って「派遣元と契約を結んで、派遣先へ派遣される」という仕組みなので契約を結ぶのは派遣元なのは当然ですね

 

3.労働者の長期人身拘束の防止

契約期間の歴史

ここで少し歴史の話を・・・

 

昔(資本主義の始まりのころ)は、労働者を奴隷のように一生こき使う、なんて事がありました。俗にいう奴隷契約ですね。

 

つまり、辞めたくても辞められない状況ですね。

 

でも、現代は、「派遣切り」なんて言葉もあるように、「辞めたくないのに、期間満了を理由に辞めさせられる」なんて事が起こる時代になりました。

 

奴隷契約なんて論外ですが、理想は「雇う側と雇われる側が対等」なのにどうしても雇われる側が不利になってしまいがちです。

 

だから、労働契約の期間を「立場のより弱い人」や「自力でやっていけそうな人」については長くしていこうという流れが起きています。

 

弱い立場の労働者の中でも強い人と弱い人という両極端から変えていく、ってのは面白いですね。

 

この流れを知ってから勉強すると簡単に頭に入ってくるはずです。

 

よく「労働契約の期間がなんたら~」と出てきますが、正社員の場合、多くは「期間の定めのない労働契約」というのを結んでいます。

つまり、定年まで何事もなければ契約が続くので、正社員の人が自分にあてはめて契約期間などの話を読むと違和感を感じると思うので注意してください。

 

契約期間

  • 元々は原則1年までだった
  • 平成15年改正で原則3年までになった
  • 例外的に、高度の専門的能力(医者や公認会計士など)を有する人は5年
    →強い立場の人(能力を十分に発揮できるように長期間にした)
  • 60歳以上の人も5年
    →弱い立場の人(年齢を理由にいつクビを切られるかわからない)
  • 3年の例外として、建設工事などで完成までに10年かかるような場合は10年契約でもOK
    →期間が決まっている事業を有期事業といい、有期事業が対象
    →工事が完成するまで一貫してやってよ、という意図

 

原則3年、場合によっては5年ですが、10年で契約したような場合は?

→使用者にだけ罰則が適用され、期間は3年(5年)になる

 

賠償予定の禁止(法16)

ここでのポイントは「あらかじめ」です。

 

「会社の金を持ち逃げしたら1億円請求します」

とかを「あらかじめ」決めるのがダメということ。

 

実際に生じた損害については損害賠償請求するのは問題ありません。

そうしてあげないと、あまりにも会社側が不利になりますよね。

 

前借金相殺の禁止(法17)

使用者から労働者が借金していた場合に、給料から天引きすることです。

 

そんな事、よくある話では?と思ったかた、鋭いです。

 

ここでのポイントは、「身分的拘束を伴っているかどうか」です。

つまり、働く事を条件に借金した場合のことです。

これを許すと奴隷のように働かされる危険があるから禁止されています。

 

あなたが思った、よくある事という場合は、「働くのを条件」にしていなくて、「人柄を信用してお金を貸してあげた」というケースになります。

 

また、労働者の側から自発的に給料から天引きするのは問題ありません。

さっきの「奴隷のようにならないため」という考えからすれば当然ですね。

 

強制貯金

最近あまり見かけないですが、これは給料から強制的に貯金させられるシステムが禁止という意味です。

 

例えば毎月20万円の給料のうち、強制的に会社で貯金してあげるから2万円は天引きっしとくね、といったものが禁止です。

 

強制的が禁止なのであって、労働者が自ら「俺、現金持ってると使っちゃうから先に貯金しといてくれるならその方が助かる」と考えて貯金を頼むケースはもちろん問題ありません。

 

強制的に給料から天引きすると、そのお金が場合によっては人質のようになって会社を辞めづらくなる事を心配してこの規定があります。

これも「奴隷のようにならないため」に該当しますね。

 

派遣労働者の場合は?

貯金を預かるのは派遣元です。

労働契約を結んでいるのは派遣元だったので、対象になるのは当然派遣元との関係になりますね

 

任意貯蓄

強制的に貯金させるのは禁止でしたが、労働者から委託を受けて管理するのは問題ありません。

ありませんが、法律で決められたやり方が必要です。

そうしないと「強制と変わらないじゃないか」なんて事が起こり得ますからね。

 

この労働者から委託を受けて行う貯蓄を「任意貯蓄」と言います。

 

この任意貯蓄には

  • 社内預金
    →会社が預かったお金を直接管理
  • 通帳保管
    →通帳や印鑑を会社で保管してお金は銀行等に預ける

の2種類があります。

 

まずは、社内預金・通帳保管のどちらの場合でも必要な措置

  • ①労使協定を締結し、労基署長に届け出る
  • ②貯蓄金管理規定を定め、労働者にそれを周知
  • ③労働者から返還請求があれば、遅滞なく返還

 

次は社内預金の場合のみの措置

通帳保管に比べて、自分でお金を保管する訳ですから、厳しくなります。

場合によっては、労働者から預かってるお金を使い込む、なんて可能性もありますからね。

  • ① 労使協定に、預金者の範囲、限度額、利率や利子の計算方法、出し入れの手続き、保全の方法を定めておく
  • ② ①とその具体的取扱いについて貯蓄金管理規定に規定
  • ③ 毎年3月31日以前1年間における預金管理状況を4月30日までに労基署長に報告
  • ④ 年5厘以上の利率による利子をつけること
      →年5厘以上なら日歩(ひぶ)でもOK
      →日歩は1日単位での利子計算のこと
      →ちなみに利率の上限は無い

 

通帳保管の場合のみの措置

  • 貯蓄金管理規定に金融機関名、預金の種類、通帳の保管方法、出し入れの方法を定めておく

 

4.解雇

解雇とは使用者からの一方的意思表示による労働契約の解除を言います。

 

解雇予告(法20)

よくドラマで社長が「お前はクビだ!明日から来なくていい!」なんてのをやってますよね。

 

あれが出来るのか出来ないかで言えば「一応出来ます」。

労働基準法は従業員を守る法律なのになんで?と思うかもしれません。

ちゃんと守っています。

 

どういうことかと言うと、クビを宣告する場合は、少なくとも30日前にするか、30日よりも近い時期にクビを宣告するなら30日に足りない分の平均賃金(これを予告手当という)を支払え、となっているのです。

 

実際には、その場でクビが確定するのではなく、そこから30日経った時か、30日になるまでの予告手当の支払いがあった時から解雇の効力が発生します(細谷服装事件)。

 

つまり、いきなりクビにしたいなら、30日分の給料を渡さないといけません。

それがイヤなら、30日よりも前にクビだと伝えて、その日までその従業員に働いてもらうことになります。

「一応」と書いたのはこれが理由です。

 

まあ現実だと、30日後にクビになると言われてからの30日間は、その従業員はモチベーション0でしょうし、社内の雰囲気も地獄のようでしょうね。

 

この規定により、労働者としては最低でも次の仕事を探す期間が30日は確保されることになります。

 

ちなみに両者を併用してもOKです。

 

「お前は10日後にクビだ!」と言われたら、10日後まで仕事に出て、残り20日分の給料を働いてなくてももらえると言うことです。

→労働者が自由に選べるのではなく、使用者が決める話になります。

 

実はこの解雇予告には社長側に裏技があります。

 

どういう裏技かと言うと、

「解雇予告と同時に休業を命じて、30日経過させる」

と言う作戦です。

 

これにどんなメリットがあるのかと言うと、休業中って出勤しなくていい代わりに、給料の60%分の休業手当しかもらえません。

 

働いてないのに60%ももらえるなら御の字ですが(生活費の問題はありますが)、これを解雇予告と同時に使えば、30日分の給料を支払わなくて良いことになります。

 

ただし、この場合、この休業命令が正当なのかどうかが争われる可能性はあります。

 

解雇予告して、その予定日を過ぎた後にその労働者を雇った場合は、同じ条件でまた労働契約をしたと扱われるので、もう一回解雇したい場合は、改めて解雇予告をしないといけません。

 

解雇予告の除外

解雇予告にもいきなりクビ扱い出来る場合があります。

それは

  • ①天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
  • ②労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合

です。

簡単に言うと、

  • ①震災などが起きて、工場が壊滅してどうにもならない場合
  • ②従業員が罪を犯して懲戒解雇するような場合

です。

この場合でも、労基署長の認定を受けないといけません。

労働者が不当な扱いをされないように認定制にしてくれてるわけです。

 

では、解雇予告中に、震災が起きたり、その労働者が罪を犯した場合は?

→この場合は、解雇予告をした日に当日に解雇できる、となります。

 

派遣労働者

派遣労働者の解雇予告については、派遣労働者は派遣元(派遣会社)と労働契約を結んでいるので、派遣先(実際の勤務先)は解雇予告は関係ないので、いきなりクビでも労基法上は問題ありません。

 

解雇予告の適用除外(法21)

解雇予告をしなくてもよい労働者もいます。

それは

  • 日雇いの人
  • 2ヶ月以内の期間で働く人
  • 季節的な4ヶ月以内の仕事をする人
  • 試用期間中の人

です。

この人たちを軽く見ている訳ではなく、例えば、日雇いの人をクビにしたい場合に

「その場でその人に30日分の給料を払う」

っておかしいですよね?

だって1日契約で働いてるんですもんね。

 

でも、そういう人たちだってある程度長期間働いたり、継続して雇われている場合には、解雇予告の規定を使わせてあげないとあんまりですよね。

 

その場合というのがこちら

  • 日雇いの人 → 1ヶ月を超えて引き続き働くことになった場合
  • 2ヶ月以内、季節4ヶ月 → 当初決めた期間を超えて引き続き働くことになった場合
  • 試用期間中の人 → 14日を超えて働いた場合

 

解雇制限(法19)

今まで「30日」と言うことでずっと話してきましたが、この「30日」が当てはまらない人もいます。

 

どういう人かというと、

  • 仕事でケガしたり病気したりしてそれを治すために休んでる人
  • 産前産後で休業してる人

 です。

この人たちは、その期間が終わってから30日が始まります。

 

仕事中のケガで休んでる最中に、いきなり「30日後にクビだ」とか言われても困りますよね。

クビにするにしても、職場復帰出来た上で、そこから30日後じゃないとあんまりですよね。

 

解雇制限の解除(法19)

このように従業員を守るための「解雇制限」でしたが、ケガの治療が一生だった場合、会社は一生給料を払い続けるとなると、それはしんどいはずです。

 

そのため、「解雇制限」を解除できる場合があります。

それは、

  • ①打切補償(法81)を支払う場合
  • ②天災事変の場合など

です。

 

打切補償は、ケガの治療を開始して3年たっても治らない場合、会社は平均賃金の1200日分を支払えば解雇可能になります。

 

3年間支払い続けた上に、1200日分の平均賃金を支払うのですから、会社側としてもかなり負担をしていますね。

 

また、②の場合は、やはり従業員が不当な扱いを受けないように、労基署長の認定が必要になっています。

 

5.退職時の手続きなど

証明書の交付(法22)

労働者が退職時に

  • 使用期間
  • 業務の種類
  • 地位
  • 賃金
  • 退職の事由(解雇の場合はその理由を含む)

についての証明書を請求したら、遅滞なく交付しないといけない。

 

労働者側からこれを請求するわけですが、労働者が請求していない事項については記入してはいけないことになっています。

 

通信等の禁止(法22)

使用者はあらかじめ第三者と謀って労働者に対して嫌がらせをしてはいけないと決められています。

 

どういう事かと言うと労働者の

  • 国籍
  • 信条
  • 社会的身分
  • 労働組合運動

に関する通信をしたり、退職時の証明書に

  • 秘密の記号

を記入してはいけません

 

ただし、照会に回答することは禁止されていません。

例えば、

その労働者がどこかの会社に面接をし、その会社から元勤務先に「この人、どんな人だった?」みたいな電話をするようなケースですね

 

これから雇おうとしている会社からすれば、変な人は採用したくないでしょうから、仕方ないでしょうね。

 

金品の返還(法23)

使用者は労働者が死んだり退職した場合で、請求があったら7日以内に

  • 賃金を支払い
  • それ以外の労働者関係の金品(積立金など)を返還

しないといけません。

ただし、退職手当は規則などで決められた通りに支払えばいいです。

 

 

参考文献:TAC出版 「2018年度版 みんなが欲しかった!社労士の教科書」

※このブログは独学で社会保険労務士試験合格を目指す一受験生が書いたものです。

よって、この内容を基に行動したりして生じたいかなる責任も負えませんのであらかじめご了承ください。

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